トレーニング方法

座りながらできる筋トレ|デスクワーク中でも手軽に運動

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デスクワークや在宅勤務が増える中、長時間座り続けることによる運動不足が気になっている方もいるのではないでしょうか。座りながらできる筋トレは、オフィスや自宅で仕事をしながら、あるいは休憩時間を活用して手軽に体を動かせる運動方法です。

本記事では、上半身から下半身まで、座った状態でできる様々な筋力トレーニングをご紹介します。特別な道具を使わずに、椅子に座ったままで実践できる運動を中心に、正しいフォームや実践のポイント、注意点まで詳しく解説していきます。仕事の合間の気分転換や、運動習慣づくりの第一歩として、ぜひ参考にしてみてください。

座りながらできる筋トレとは

立ち上がる必要なく、座ったままの姿勢で上半身や下半身の筋肉に働きかける運動方法です。オフィスのデスクワーク中や、自宅でのテレワーク、テレビを見ながらなど、様々な場面で取り入れられます。

このトレーニング方法の特徴は、場所を選ばずに実践できる点です。ジムに通う時間がない方や、運動のためにまとまった時間を確保するのが難しい方でも、日常生活の中で少しずつ体を動かす習慣を作れます。また、激しい動きが少ないため、運動初心者の方や体力に自信がない方でも取り組みやすいという利点があります。

ただし、座った状態での運動は、立って行う運動と比べると動きの範囲が限られるため、正しいフォームで行うのが特に大切です。間違ったフォームで続けると、首や腰に負担がかかる場合もあるため、無理のない範囲で、自分の体調と相談しながら実践しましょう。

上半身を中心とした座りながらできる筋トレ5選

腕の運動|デスクプッシュアップ

デスクプッシュアップは、デスクの端を使って行う腕立て伏せの変形版です。椅子に座ったまま、デスクの端に両手を肩幅程度に開いて置きます。手のひらをしっかりとデスクにつけ、肘を曲げながら上体をゆっくりとデスクに近づけていきます。胸がデスクに近づいたところで一旦停止し、腕の力を使ってゆっくりと元の位置に戻します。

この運動を行う際は、背筋を真っすぐに保つことが必要となります。腰が反ったり、猫背になったりしないよう注意しましょう。呼吸は、デスクに近づくときに息を吸い、押し返すときに息を吐きます。初めは10回を1セットとして、慣れてきたら2~3セット行うとよいでしょう。デスクの高さや椅子との距離を調整することで、負荷を変えることができます。

肩周りの運動|ショルダーシュラッグ

ショルダーシュラッグは、肩をすくめる動作で僧帽筋に働きかける運動です。椅子に深く腰掛け、背筋を伸ばした状態で両肩をゆっくりと耳に近づけるように持ち上げます。肩が最も高い位置に来たら2~3秒キープし、その後ゆっくりと元の位置に戻します。この動作を繰り返すと、デスクワークで凝り固まりやすい肩周りの筋肉をほぐしやすくなります。

動作中は、肩だけを動かすよう意識し、首に力が入らないよう注意が必要です。また、肩を前後に回さず、真上に引き上げるのがポイントです。15~20回を1セットとして、仕事の合間に2~3セット行うのを目安にするとよいでしょう。長時間のパソコン作業で肩が重く感じたときに取り入れると、気分転換にもなります。

背中の運動|シーテッドロウイング

シーテッドロウイングは、タオルやゴムバンドを使って背中の筋肉に働きかける運動です。タオルを両手で持ち、胸の前で水平に構えます。タオルの両端をしっかりと握り、左右に引っ張るようにして胸を張ります。このとき、肩甲骨を寄せるように意識すると、背中の筋肉をしっかりと使えます。

タオルを引く際は、肘を体の横を通るように後ろに引き、肩甲骨同士を近づけるイメージで行います。3秒かけてゆっくりと引き、同じく3秒かけて戻すと、筋肉への刺激を高められます。10~15回を1セットとして実践してみましょう。猫背になりがちなデスクワークの姿勢改善にも役立つ運動です。

胸の運動|チェストスクイーズ

チェストスクイーズは、胸の前で手のひらを合わせて押し合う運動です。椅子に座った状態で、胸の前で両手のひらを合わせ、祈るようなポーズを作ります。肘は横に張り出すようにして、手のひら同士を強く押し合います。この状態を5~10秒キープし、その後力を抜いて休憩します。

押し合う際は、胸の筋肉が収縮していることを意識しながら行います。呼吸を止めないよう、自然な呼吸を続けることも必要です。10回を1セットとして、デスクワークの合間に取り入れることができます。道具を使わずにできるため、会議の待ち時間などでも気軽に実践できる運動です。

体幹の運動|シーテッドツイスト

シーテッドツイストは、座った状態で上体をひねる運動で、腹斜筋などの体幹部分に働きかけます。椅子に浅く腰掛け、背筋を伸ばした状態で両手を胸の前で組みます。そのまま上体をゆっくりと右にひねり、限界まで回したところで2~3秒キープします。その後、ゆっくりと正面に戻し、今度は左側にひねります。

ひねる際は、腰から動かすのではなく、お腹の筋肉を使って上体を回転させることを意識します。顔は正面を向いたままでも、ひねる方向を向いても構いません。左右各10回を1セットとして行います。長時間同じ姿勢で座り続けることで硬くなりやすい腰回りの柔軟性維持にも役立ちます。

下半身を意識した座りながらできる筋トレ4選

太ももの運動|レッグエクステンション

レッグエクステンションは、太ももの前側の筋肉(大腿四頭筋)に働きかける運動です。椅子に深く腰掛け、背もたれにしっかりと背中をつけます。片足をゆっくりと前に伸ばし、膝が真っすぐになるまで持ち上げます。つま先は上に向け、太ももの前側に力が入っているのを意識しながら、2~3秒キープします。その後、ゆっくりと足を下ろして元の位置に戻します。

この運動を行う際は、膝に痛みを感じる場合は無理をせず、上げられる範囲で行うのが大切です。また、反動を使わずにゆっくりとした動作で行えば、筋肉への刺激を高められます。片足10~15回ずつを1セットとして、左右交互に行います。足首におもりをつければ負荷を増やせますが、まずは自重で始めましょう。

ふくらはぎの運動|カーフレイズ

カーフレイズは、ふくらはぎの筋肉(腓腹筋・ヒラメ筋)に働きかける運動です。椅子に座った状態で、両足を肩幅程度に開き、足の裏全体を床につけます。そこから、かかとをゆっくりと持ち上げ、つま先立ちの状態を作ります。ふくらはぎに力が入っているのを感じながら、最も高い位置で2~3秒キープし、ゆっくりとかかとを下ろします。

座った状態でのカーフレイズは、立って行う場合と比べて負荷が軽いため、回数を増やして行うとよいでしょう。20~30回を1セットとして、2~3セット行うことを目安にします。デスクワーク中の足のむくみが気になる方は、1時間に1回程度この運動を取り入れることで、血行促進につながりやすくなります。

内ももの運動|アダクション

アダクションは、内ももの筋肉(内転筋群)に働きかける運動です。椅子に座った状態で、膝の間にクッションや丸めたタオルを挟みます。両膝でクッションを強く挟み込むように力を入れ、5~10秒キープします。その後、力を抜いて休憩し、これを繰り返します。

クッションを挟む際は、内ももの筋肉が収縮しているのを意識しながら行います。また、上体が前傾したり後傾したりしないよう、背筋を伸ばした状態を保つ必要があります。10~15回を1セットとして実践します。クッションがない場合は、両手を膝の内側に当てて、膝を閉じる力と手で開く力で押し合う方法でも代用できます。


お尻の運動|グルートスクイーズ

グルートスクイーズは、お尻の筋肉(大臀筋)に働きかける運動です。椅子に座った状態で、お尻の筋肉にぎゅっと力を入れて締めます。左右のお尻を中央に寄せるようなイメージで、5~10秒間力を入れ続けます。その後、力を抜いてリラックスし、これを繰り返します。

この運動は見た目には動きがないため、オフィスでも周囲を気にせず実践できます。お尻に意識を集中させ、しっかりと筋肉を収縮させることがポイントです。10~15回を1セットとして、長時間座り続けているときの気分転換として取り入れるとよいでしょう。座り仕事が続く方にとって、お尻の筋肉を意識的に使う機会を作ることは有意義です。

座りながらできる筋トレの実践ポイント

適切な頻度と回数の目安

座りながらできる筋トレを継続的に行うためには、適切な頻度と回数の設定が必要です。一般的に筋力トレーニングは週2回以上行うのが推奨されることが多いです。座りながらの筋トレは負荷が軽いため、毎日行っても問題ありませんが、同じ部位を連続してトレーニングする場合は、筋肉の回復時間を考慮しましょう。

最初は無理のない範囲から始め、徐々に回数やセット数を増やしていくとよいでしょう。継続が何より大切なので、毎日少しずつでも続けられる負荷設定を心がけましょう。

正しい姿勢と呼吸法

座りながらの筋トレでは、正しい姿勢を保つと運動の質が高まります。基本姿勢は、椅子に深く腰掛け、背筋を伸ばし、両足を床にしっかりとつけた状態です。肩の力を抜き、顎を軽く引いて、頭から腰までが一直線になるように意識します。

呼吸については、力を入れるときに息を吐き、力を抜くときに息を吸うのが基本です。ただし、運動によっては逆の場合もあるため、自然な呼吸を心がけましょう。呼吸を止めてしまうと血圧が上昇する可能性があるため、常に呼吸を続けるよう意識します。

よくある間違いとして、背中が丸まってしまう、肩に力が入りすぎる、呼吸を止めてしまうなどがあります。鏡で自分の姿勢をチェックしたり、同僚に見てもらったりして、正しいフォームを身につけましょう。

仕事中に取り入れるタイミング

座りながらの筋トレを仕事中に取り入れる際は、タイミングを工夫すると習慣化しやすくなります。定期的な休憩時間を活用したり、集中力が切れたときの気分転換として行ったりすれば、仕事の効率向上にもつながります。

1時間に1回は立ち上がって体を動かすと良いですが、難しい際には座ったままでできる運動を取り入れることで、体の凝りや疲れを軽減しやすくなります。スマートフォンのアラーム機能を使って、定期的に運動のタイミングを知らせるようにするのも良い方法です。

座りながらできる筋トレの注意点

無理のない範囲で行うことの必要性

座りながらの筋トレは比較的負荷が軽い運動ですが、無理をすると体を痛めるケースがあります。特に、普段運動をしていない方や、体調がすぐれないときは注意が必要です。痛みを感じたらすぐに運動を中止し、無理に続けないようにしましょう。

体調不良時、特に発熱や強い倦怠感があるときは、運動を控えましょう。また、関節に痛みがあるときや、医師から運動を制限されている際には、必ず医療機関に相談してから始めるようにしてください。持病がある方も、主治医に確認を取りましょう。


運動中に以下のような症状が現れた場合は、すぐに運動を中止してください:

  • 胸の痛みや圧迫感
  • めまいや吐き気
  • 異常な息切れ
  • 関節や筋肉の急激な痛み
  • 冷や汗


これらの症状が続く場合は、医療機関を受診しましょう。体の声に耳を傾け、無理のない範囲で継続することが、長期的な健康維持につながります。

よくある質問

Q1: 座りながらの筋トレで筋肉はつきますか?

A:座りながらの筋トレは、立って行う筋トレと比べると負荷が軽いため、筋肉の成長は緩やかになる傾向があります。しかし、継続することで筋肉の維持や、日常生活で必要な筋力の向上には役立つことがあります。特に、普段まったく運動をしていない方にとっては、運動習慣をつける第一歩として意味があります。

筋肉量を増やすことが目的の場合は、座りながらの筋トレだけでなく、適切な負荷をかけた筋力トレーニングや、たんぱく質を中心とした適切な食事管理との組み合わせが必要になります。座りながらの筋トレは、日常的な運動不足の解消や、体を動かす習慣づくりとして捉えるとよいでしょう。

Q2: 座りながらの筋トレはどのくらいの期間続ければ変化を感じられますか?

A:体の変化を感じるまでの期間は個人差があり、一概には言えません。週2~3回の頻度で2~3ヶ月継続すると、何らかの変化を感じる方もいます。ただし、座りながらの筋トレは負荷が軽いため、見た目の変化よりも、疲れにくくなった、肩周りがスッキリしたなど、体調面での変化の方が感じやすいかもしれません。

継続のモチベーションを保つためには、小さな目標を設定することが役立ちます。例えば、「1週間毎日5分続ける」「1ヶ月で回数を5回増やす」など、達成しやすい目標から始めましょう。また、運動の記録をつけることで、自分の成長を実感しやすくなります。

Q3: 椅子の種類は関係ありますか?

A:椅子の種類は、運動の安全性と実践のしやすさに関係します。必要なのは椅子の安定性です。キャスター付きの椅子を使用する際には、運動中に椅子が動かないよう、キャスターをロックするか、壁際で行うなどの工夫が必要です。

背もたれの有無や高さも運動のしやすさに影響します。背もたれがある椅子の方が、背中を支えられるため安定した姿勢を保ちやすくなります。座面の高さは、足が床にしっかりとつく高さがよいです。足が届かない場合は、足台を使用するなどして調整しましょう。

オフィスチェアでの実践では、アームレストが邪魔になるケースがあります。取り外しできれば外すか、アームレストを避けて運動を行う必要があります。自宅で行うときは、ダイニングチェアなど、シンプルで安定性の高い椅子を選ぶとよいでしょう。

まとめ

座りながらできる筋トレは、忙しい現代人にとって、手軽に始められる運動習慣の第一歩となります。デスクプッシュアップやショルダーシュラッグなどの上半身運動から、レッグエクステンションやカーフレイズなどの下半身運動まで、特別な道具を使わずに実践できる方法を中心に解説しました。

これらの運動は、オフィスでも自宅でも、仕事の合間や休憩時間を活用して行えます。大切なのは、無理のない範囲で継続することです。最初は1日5分から始めて、徐々に時間や回数を増やしていけば、運動習慣を身につけられます。

座りながらの筋トレだけで劇的な体の変化を期待するのは難しいかもしれませんが、日々の運動不足解消や、デスクワークによる体の不調の予防には役立つでしょう。正しいフォームと適切な頻度を心がけ、自分のペースで続けていくことが必要です。体調や周囲の環境に配慮しながら、無理なく楽しく続けられる運動習慣を作っていきましょう。

 

※トレーニングや食事管理の効果には個人差があります。本記事は医療行為や医療上の効果を保証するものではありません。

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