2025.11.06

健康維持のためにジムに通いたいと考えているものの、月額料金が家計の負担になっているという方も多いのではないでしょうか。実は、会社の福利厚生や健康保険組合の制度、自治体の支援事業などを活用することで、ジムの利用料金の一部を補助してもらえる場合があります。
2025年4月現在、多くの企業や健康保険組合が健康経営の一環として、従業員の運動習慣づくりをサポートする制度を拡充しています。
この記事では、会社員が活用できるジムの補助金制度について、具体的な仕組みや申請方法、注意点などを詳しく解説します。
※本記事は一般的な制度説明です。具体的な適用可否・必要書類は税務署や税理士など専門家へ確認してください。制度や運用は変更される場合があります。必ず最新の公式情報をご確認ください。
多くの企業では、従業員の健康増進を目的として、フィットネスクラブやスポーツジムの利用料金を補助する福利厚生制度を導入しています。2024年8月19日に、経済産業省(健康経営優良法人認定事務局)が「健康経営優良法人2025」と「健康経営銘柄2025」の申請受付を開始したことからも、企業の健康経営への関心の高まりがうかがえます。
企業がジムと法人契約を結ぶことで、従業員は通常よりもお得な法人会員価格で施設を利用できるようになります。月額料金の一部が補助されるケースが多く、年間で数万円の節約につながる場合もあります。また、フィットネス手当として月額数千円程度を支給する企業も増えており、従業員の健康づくりをバックアップしています。
健康経営に取り組む企業では、従業員の運動機会を増やすことで、疾病率の低下や労働生産性の向上を目指しています。実際、運動習慣のある従業員は、ストレス軽減や体力向上により、仕事のパフォーマンスも向上しやすいという調査結果も報告されています。
健康保険組合では、被保険者・被扶養者の健康づくりをサポートするため、スポーツクラブの利用料金に対して費用補助を行っています。2025年4月からは、ソニー健康保険組合のように、これまで対象外だった都度利用や公共施設、パーソナルトレーニングなども補助対象に追加する健保組合も出てきています。
各健保組合によって制度内容は異なりますが、契約施設を利用した場合に月額3,000円程度を上限として補助金が支給される仕組みが一般的です。例えば、azbilグループ健康保険組合では、電子申請システムを導入し、領収書をデジタルデータで提出できるようになっています。また、伊藤忠連合健康保険組合では、全国約1,000カ所のスポーツ施設と提携し、幅広い選択肢を提供しています。
申請方法も健保組合ごとに異なるため、まずは所属する健保組合のホームページなどで詳細を確認することが大切です。多くの健保組合では、利用実績を証明する領収書の提出が必須となっており、本人名義の領収書を保管しておく必要があります。
ベネフィット・ワンやリロクラブなどの福利厚生代行サービスを導入している企業では、提携スポーツクラブを優待価格で利用できます。これらのサービスでは、全国の様々なフィットネスクラブと提携しており、従業員は自分の都合に合った施設を選択できます。
2025年現在、福利厚生代行サービスの提携施設数は拡大傾向にあり、都市部だけでなく地方でも利用しやすい環境が整ってきています。都度利用プランや月会員プランなど、ライフスタイルに応じた利用方法を選べるのも特徴です。
| 福利厚生サービスの種類 | 提携施設数 | 主な割引内容 | 特徴 |
| 総合型福利厚生パッケージ | 全国1,000施設以上 | 月会費10~30%割引 | 幅広い選択肢、家族利用も可能 |
| 健康特化型サービス | 主要チェーン中心 | 入会金無料、月会費割引 | 健康経営に特化した内容 |
| 地域密着型サービス | 地域の施設中心 | 都度利用料金の優待 | 地元施設との連携が強い |
| オンライン併用型 | 実店舗+オンライン | 月会費割引+動画視聴 | 在宅勤務者にも対応 |
福利厚生サービスを利用する際は、まず自社がどのサービスと契約しているか、人事部門に確認しましょう。多くの場合、従業員専用サイトから申し込みが可能で、会員証の発行手続きも簡単に行えます。
企業によっては、独自の健康増進プログラムとして運動手当を支給している場合があります。2025年の傾向として、単純な費用補助だけでなく、健康アプリと連動したインセンティブ制度を導入する企業も増えています。
例えば、月額数千円を上限にフィットネス手当を支給する企業や、ジム利用の領収書提出により実費の何割かを補助する企業もあります。また、歩数目標を達成した従業員にポイントを付与し、そのポイントをジム利用料に充当できる制度を設けている企業もあります。
最近では、リモートワークの普及に伴い、オンラインフィットネスサービスの利用料も補助対象に含める企業が増えています。これにより、自宅でも運動習慣を継続できる環境が整ってきています。これらの制度は就業規則や福利厚生規定に記載されているため、人事部門に確認してみましょう。
医師の指示に基づいて指定運動療法施設(厚生労働大臣認定の健康増進施設のうち、一定要件を満たす施設)で運動療法を実施した場合、その施設利用料は医療費控除の対象になり得ます。
また、2023年3月に厚生労働省は、健康増進施設の認定基準(「常時」の解釈等)を事務連絡で明確化し、これを受けて指定運動療法施設の医療費控除の取扱いの様式等も一部改正されました(運動指導者の適切な配置の明記など)。
一方で、通常の健康維持目的でのジム利用料は医療費控除の対象外です(特定保健指導に伴う一般的な運動施設利用料も対象外)。
控除を受ける際は、医師の運動療法処方箋、施設が発行する領収書(処方箋に基づく運動療法の対価である旨と本人氏名の明記)、および運動療法実施証明書など、必要書類を**適切に保管(原則5年)する必要があります。
なお、医療費控除の計算は、(実際に支払った医療費 - 保険金等で補てんされた額)から「10万円」または「総所得金額等の5%(所得200万円未満の場合)」のいずれかを差し引いた金額(上限200万円)です。会社の補助や健保等の給付がある場合は、その補填分を差し引いた自己負担額だけが控除対象になります。
※参考:厚生労働省「健康増進施設認定制度」
※参考:厚生労働省「指定運動療法施設の利用料金に係る医療費控除の取扱いについて」の一部改正について」
市区町村では、住民の健康増進を目的として、公営スポーツ施設の利用料金を優待価格で提供しています。2025年現在、多くの自治体が「健康日本21(第三次)」の目標達成に向けて、運動施設の充実や利用促進に取り組んでいます。
特に高齢者向けには、65歳以上の方を対象とした割引制度を設けている自治体が多く、通常料金の半額程度で利用できる場合もあります。また、市民体育館やプールなどの公共施設では、回数券や定期券を購入することでさらにお得に利用できます。
最近の傾向として、民間フィットネス施設と提携し、住民割引を提供する自治体も増えています。例えば、月会費の一部を自治体が補助したり、初回登録料を無料にしたりするケースがあります。お住まいの自治体のホームページや広報誌で、利用可能な制度を確認してみましょう。
自治体では、運動習慣の定着を促すため、健康ポイント事業を実施しているところもあります。2025年現在、東京都(東京健康UPlus)や福岡県(ふくおか健康ポイントアプリ)など、多くの自治体が健康ポイント事業を展開しており、住民の健康づくりを後押ししています。
健康ポイントを貯める方法:
貯めたポイントは、地域の特産品や商品券、協力店でのサービス利用などに交換できます。例えば、福岡県の「ふくおか健康ポイントアプリ」では、毎月の抽選会も実施しており、楽しみながら健康づくりを継続できる仕組みになっています。
スマートフォンアプリを活用した健康ポイント事業を導入している自治体も増えており、日々の活動を手軽に記録できるようになっています。アプリでは、歩数の自動記録やランキング機能、健康情報の配信なども行われており、モチベーション維持にも役立ちます。
各自治体では、地域の特性を活かした独自の健康づくり支援を展開しています。2025年現在、「2025年問題」への対応として、特に高齢者の健康寿命延伸に向けた取り組みが活発化しています。
例えば、東京都では「東京健康UPlus(あっぷらす)」という事業を展開し、都民の健康づくりを応援する協賛店と連携しています。協賛店でのサービス利用時に特典が受けられるほか、健康イベントの情報も入手できます。
栃木県那須塩原市では、「SUKSK(スクスク)生活」を提唱し、「食事」「運動」「休養」「社会」「禁煙・受動喫煙防止」の5つの要素を組み合わせた総合的な健康づくりを推進しています。住民は、専用アプリや歩数計を使って日々の活動を記録し、ポイントを貯めることができます。
船橋市の「ふなばし健康ポイント」では、平成30年度から事業を実施しており、運動を習慣づけるきっかけづくりに成功しています。参加者の継続率も高く、地域全体の健康意識向上につながっています。
健康づくりのためには、継続的な運動が大切です。厚生労働省は、健康づくりを目的とした際の運動の目安として、以下を推奨しています(※)。
※出典:厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」
個人差を考慮し、自分の体力や健康状態に合わせて、強度や量を調整することが重要です。週2~3回の運動から始めて、徐々に頻度を増やしていくなど、無理のないペースで取り組みましょう。
また、筋力トレーニングについても、週2~3日行うことが推奨されています。筋トレマシンやダンベルなどを使用するウエイトトレーニングだけでなく、自重で行う腕立て伏せやスクワットなどの運動も含まれます。初心者の方は、まずは自重トレーニングから始めることをお勧めします。
座位時間を減らすことも重要です。デスクワークの方は、30分ごとに立ち上がって軽くストレッチをしたり、階段を使ったりするなど、日常生活の中で身体活動を増やす工夫をしましょう。
ジム選びでは、継続しやすい環境を選ぶことが大切です。2025年現在、24時間営業のジムやオンラインレッスンを併用できる施設など、多様な選択肢があります。
| 検討項目 | チェックポイント | 重要度 |
| アクセス | 自宅や職場からの距離、駐車場の有無、最寄り駅からの距離 | ★★★ |
| 営業時間 | 利用したい時間帯の営業状況、24時間営業の有無 | ★★★ |
| 設備の充実度 | マシンの種類と台数、更衣室の広さ、シャワー設備の数 | ★★☆ |
| スタッフサポート | トレーナーの有無、初心者向けサポート、パーソナル指導の有無 | ★★☆ |
| 料金体系 | 月会費、都度利用料金、休会制度の有無、追加料金の有無 | ★★★ |
| 混雑状況 | 利用したい時間帯の混雑度、予約システムの有無 | ★★☆ |
| 衛生管理 | 清掃頻度、消毒設備の設置、換気システム | ★★★ |
| 付帯サービス | プログラムの種類、栄養相談、体組成測定サービス | ★☆☆ |
通いやすい立地にあり、自分の生活リズムや志向性に合った営業時間の施設を選ぶことで、運動習慣を継続しやすくなります。見学や体験利用ができる施設も多いので、実際に訪れて雰囲気を確認することをお勧めします。
運動習慣を継続するためには、モチベーションの維持が重要です。目標設定や記録管理、仲間づくりなど、様々な工夫を取り入れてみましょう。
継続のためのコツ:
また、補助金制度を活用していることを意識することで、「せっかく補助を受けているのだから頑張ろう」というモチベーションにつながることもあります。制度を最大限活用して、健康的な生活を送りましょう。
企業の福利厚生制度は、正社員だけでなくパート・アルバイトの方も対象となる場合があります。2025年現在、働き方改革の推進により、非正規雇用者への福利厚生適用が拡大傾向にあります。
ただし、週の労働時間(週20時間以上など)や雇用期間(6カ月以上継続など)などの条件が設定されていることもあるため、人事部門や総務部門に確認することをお勧めします。健康保険組合の制度については、被保険者であれば利用可能なケースが多いです。被扶養者(配偶者や子供)も対象となる場合があるので、家族での利用も検討してみましょう。
併用は可能です。ただし、控除の対象になるのは“自分で実際に支払った金額”だけです。
企業の福利厚生や健康保険組合の補助を受けた場合、その補助額を差し引いた自己負担分だけが医療費控除の対象になります。
例
ジム利用料:10,000円
会社補助:3,000円
→ 自己負担:7,000円
→ 医療費控除の対象になるのは7,000円のみ
つまり、「両方とも使えるけれど、補助でまかなわれた分は医療費控除できない」という仕組みです。なお、医療費控除ができるのは、医師の指示に基づき、認定された施設で運動療法を行った場合などに限られます。健康維持目的の一般的なジム利用は対象外なので、まずは医師に確認しましょう。
多くの制度では申請期限が設けられていますが、やむを得ない事情がある場合は、遡って申請できることもあります。病気や出張など、正当な理由がある場合は考慮されることが多いです。
まずは担当部署に連絡し、事情を説明してみましょう。今後の申請漏れを防ぐため、以下のような対策も検討してください:
健康保険組合の制度では、被扶養者も利用できる場合が多くあります。2025年現在、家族の健康も重視する傾向が強まっており、配偶者や子供(年齢制限がある場合あり)も対象となる制度が増えています。
企業の福利厚生によっては、配偶者や子供も優待価格で利用できる制度もあります。家族での利用を希望する場合は、それぞれの制度の詳細を確認し、必要な手続きを行いましょう。家族で一緒に運動することで、モチベーションの維持にもつながります。
2025年現在、リモートワークの定着に伴い、オンラインフィットネスサービスを補助対象に含める企業や健康保険組合が増えています。特に、コロナ禍以降、自宅でできる運動の重要性が認識されるようになりました。
ただし、すべての制度で対象となるわけではないため、事前確認が必要です。オンラインフィットネスが対象となる場合でも、月額制のサービスに限定されることが多く、都度課金のコンテンツは対象外となる場合があります。
補助金制度の多くは、1人1施設の利用に限定されています。ただし、制度によっては月ごとに異なる施設の利用も認められる場合があります。
例えば、出張が多い方の場合、出張先でも利用できる全国チェーンのジムを選ぶことで、継続的に運動習慣を維持できます。また、夏はプール、冬はジムといった季節に応じた使い分けも、制度によっては可能です。詳細は各制度の規定を確認してください。
ある大手IT企業では、2024年から従業員の健康増進プログラムを強化し、ジム利用補助を月額5,000円から8,000円に増額しました。その結果、ジム利用率が前年比で35%増加し、健康診断での有所見率が10%減少したという成果が報告されています。
また、中小企業でも工夫次第で効果的な制度運用が可能です。従業員50名の製造業の企業では、地域のスポーツクラブと法人契約を結び、グループレッスンを月1回実施することで、従業員同士のコミュニケーション活性化にもつながっています。
関東ITソフトウェア健康保険組合では、都内や近郊を含め全国のスポーツクラブと提携し、被保険者が低料金で利用できる環境を整えています。利用者からは「選択肢が多くて通いやすい」「家族も一緒に利用できるのがありがたい」といった声が寄せられています。
2025年以降も、企業の健康経営への取り組みはさらに加速すると予想されています。経済産業省の「健康経営優良法人認定制度」では、PHR(パーソナル・ヘルス・レコード)の活用や、非正規雇用者への健康支援も評価項目に加わっており、より包括的な健康経営が求められています。
これに伴い、ジム利用補助制度も単なる費用補助から、健康データと連携した成果報酬型へと進化する可能性があります。例えば、運動記録や健康改善度に応じてインセンティブが変動する制度なども検討されています。
ウェアラブルデバイスやスマートフォンアプリの普及により、運動データの管理が容易になっています。今後は、これらのデータを活用した個別最適化されたトレーニングプログラムの提供や、AIによる健康アドバイスなども期待されています。
また、VR技術を活用したバーチャルフィットネスなど、新しい形態の運動サービスも登場しており、これらも補助対象に含まれる可能性があります。
ジムの補助金制度を活用することで、経済的な負担を軽減しながら運動習慣を継続できます。2025年現在、企業の福利厚生、健康保険組合の支援制度、自治体の健康づくり事業など、様々な制度が充実してきており、多くの会社員が何らかの形で運動支援を受けられる環境が整っています。
特に重要なのは、まず自分が利用できる制度を確認することです。勤務先の人事部門や所属する健康保険組合に問い合わせ、利用可能な制度の詳細を把握しましょう。申請方法や必要書類も制度によって異なるため、事前の確認が欠かせません。
また、制度を利用する際は、申請期限や必要書類の管理を徹底することが大切です。せっかくの制度も、手続きの不備で利用できなければ意味がありません。計画的に申請を行い、継続的に制度を活用していきましょう。
補助金制度を上手に活用しながら、無理のない範囲で運動を続けることで、健康的な生活習慣を築いていくことができます。運動は継続することで効果が期待できるため、自分に合ったペースで長く続けることが大切です。
健康は一朝一夕には手に入りません。しかし、今日から一歩ずつ始めることで、将来の健康寿命の延伸につながります。ジムの補助金制度という強力なサポートを活用して、健康的で充実した生活を送りましょう。あなたの健康づくりの第一歩を、今日から始めてみませんか。
※本記事は一般的な制度説明です。具体的な適用可否・必要書類は税務署や税理士など専門家へ確認してください。制度や運用は変更される場合があります。必ず最新の公式情報をご確認ください。
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